前橋市総社町の日枝神社境内にある史跡「山王塔跡」は、大正10年に塔心礎が発見され、ここが初期の寺院跡であることがわかり、地名にちなんで「山王廃寺跡」と名付けられました。塔の心礎は一辺14mの方形基壇の中央を掘り凹めた中に置かれ、東西3m、南北2.5m、厚さ1.5mという巨石を加工したものです。心礎のほぼ中央には、径65cm、深さ18cmの孔と30cmの舎利孔との二段の孔がうがたれている。径108cm溝があり、ここから放射状の溝が東西南北の方向をさして刻まれている。塔の心柱の太さは環状の溝内縁に合致するものであろうか。寺院建立時期は、出土瓦などから七世紀末の白鳳期頃と考えられています。1928(昭和3)年2月7日「山王塔跡」で史跡指定され、2008(平成20)年に指定範囲が追加され、「山王廃寺」に名称変更される。
石製鴟尾・塔心柱根巻石